長く処方されていた薬の名前を検索して「販売中止」と出てくると、次の受診まで落ち着きません。2026年9月26日に医療用医薬品の情報を調べたところ、ユベラ錠50mgには薬価が付いたままで、添付文書も2023年9月改訂のものが公開されていました。無くなったのは剤形と包装の単位です。
先に結論
ユベラという名前の医療用医薬品は、2026年9月26日時点で複数が現役です。ユベラ錠50mg(薬価6.3円/錠)、ユベラNカプセル100mgとユベラNソフトカプセル200mg(各6.3円/カプセル)、ユベラ軟膏(5円/g)に薬価が付いています。
終わっているのは剤形と包装の単位です。細粒と顆粒は現在の商品一覧に見当たらず、エーザイの医療関係者向けサイトには2026年3月3日付で「一部包装販売中止のご案内」が掲載されています。
処方箋なしで買えるものもあります。第三類医薬品の「ユベラ-Cソフト」で、ヨドバシ.comでは96包が税込2,290円、192包が税込4,290円、どちらも在庫ありでした。
この記事は掲載状況を整理したものです。医療用医薬品は医師の処方が必要で、服用や切り替えの判断はできません。いま飲んでいる薬について不安がある場合は、処方元の医師か調剤した薬局の薬剤師に相談してください。
薬価が付いているユベラは4つ
医療用医薬品の情報をまとめたKEGGの医薬品データベースで、ユベラという名前が付く製品を引くと次のようになります。薬価が載っているということは、公的な価格が定められた現役の医療用医薬品であるという意味です。
| 販売名 | 一般名 | 製造会社 | 薬価 | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| ユベラ錠50mg | トコフェロール酢酸エステル | アルフレッサファーマ | 6.3円/錠 | 薬価あり |
| ユベラNカプセル100mg | トコフェロールニコチン酸エステル | エーザイ | 6.3円/カプセル | 薬価あり |
| ユベラNソフトカプセル200mg | トコフェロールニコチン酸エステル | エーザイ | 6.3円/カプセル | 薬価あり |
| ユベラ軟膏 | トコフェロール・ビタミンA油 | アルフレッサファーマ | 5円/g | 薬価あり |
| ユベラ顆粒20% | トコフェロール酢酸エステル | – | – | 一覧に無い |
| ユベラN細粒40% | トコフェロールニコチン酸エステル | – | – | 一覧に無い |
ユベラ錠50mgの販売開始年月は1951年9月と記録されています。70年以上売られてきた薬です。剤形は橙色の糖衣錠で、識別コードは302、直径10.2mm、質量430mg。貯法は室温保存、有効期間は3年と記載されています。
効能は製品ごとに違う
名前が似ていても、添付文書に書かれた効能は別物です。ユベラとユベラNは一般名からして違います。
添付文書に書かれている効能または効果
ユベラ錠50mg(ビタミンE剤)
ビタミンE欠乏症の予防及び治療。末梢循環障害(間歇性跛行症、動脈硬化症、静脈血栓症、血栓性静脈炎、糖尿病性網膜症、凍瘡、四肢冷感症)。過酸化脂質の増加防止。ビタミンE欠乏症以外の効能については、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきではない、という但し書きが付いている
ユベラNカプセル・ソフトカプセル(微小循環系賦活剤)
高血圧症に伴う随伴症状。高脂質血症。閉塞性動脈硬化症に伴う末梢循環障害
ユベラ軟膏(外用ビタミンE・A剤)
凍瘡、進行性指掌角皮症、尋常性魚鱗癬、毛孔性苔癬、単純性粃糠疹、掌蹠角化症
「ユベラが無くなった」と聞いたときに確かめるべきなのは、どの販売名のことなのかです。錠剤の話なのか、カプセルの話なのか、軟膏の話なのかで、状況がまったく違います。
旧版の記述を確かめ直した
旧版の記述と、2026年9月26日に確かめた結果
ユベラ錠50mgは2022年2月7日に販売中止の告知が行われ、同年4月30日に実施された
いまも薬価が付いている。薬価6.3円/錠、YJコード3150002F1239で掲載されており、添付文書は2023年9月改訂版。エーザイの医療関係者向けサイトには2024年5月8日付で「ユベラ錠50mg 包装変更のご案内」も出ている
ユベラN細粒40%およびユベラ顆粒20%は2020年3月に販売中止が発表された
現在の商品一覧に細粒と顆粒は無い。ユベラの一覧は錠剤だけ、ユベラNの一覧はカプセルとソフトカプセルだけになっている。2020年3月の告知そのものは確認できなかった
ユベラNカプセル100mgとソフトカプセル200mgは2022年12月14日に包装の一部が販売中止となった
製品そのものは現役で、話は包装単位。この構図は今も続いており、エーザイの医療関係者向けサイトには2026年3月3日付で「一部包装販売中止のご案内」が掲載されている
販売中止の理由は需要の減少、サプリメントの普及、事業戦略の変更など
公式の告知に理由の記載は確認できなかった。掲載されているのは、どの包装を終えるかという事実の案内にとどまる
処方箋なしで買えるのは「ユベラ-Cソフト」
ビタミンEを薬局で買いたい場合、同じユベラの名前で第三類医薬品が出ています。製造販売元はアルフレッサファーマ株式会社、販売会社はエーザイ株式会社です。
| 医薬品分類 | 第三類医薬品(ビタミンEC主薬製剤) |
|---|---|
| 成分(3包3.6g中) | トコフェロール酢酸エステル300mg、アスコルビン酸600mg |
| 添加物 | コムギデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、香料、還元麦芽糖水アメ、リボフラビン |
| 包装 | 96包、192包 |
| ヨドバシ.comの価格 | 96包 2,290円/192包 4,290円(いずれも税込・在庫あり) |
効能として挙げられているのは、末梢血行障害による肩・首すじのこり、手足のしびれ・冷え、しもやけの緩和。しみ、そばかす、日焼け・かぶれによる色素沈着の緩和。歯ぐきからの出血や鼻出血の予防。肉体疲労時、病中病後の体力低下時、老年期のビタミンECの補給です。ただし1ヵ月ほど使用しても改善がみられない場合は、医師、薬剤師又は歯科医師に相談することという注意も同時に書かれています。
第三類医薬品なので通販でも扱いがあります。包装が96包と192包の2種類しかないため、量を見て選ぶ形になります。
医療用の「販売中止」を読むときの順番
名前だけで判断しないための手順
1
手元の薬袋や説明書で、正確な販売名を確かめる。ユベラ錠50mg、ユベラNソフトカプセル200mgのように、規格まで含めた名前が必要になる
2
その販売名に薬価が付いているかを調べる。薬価が載っていれば、現役の医療用医薬品として扱われている
3
製薬会社のお知らせで、終わったのが製品なのか包装なのかを読み分ける。「一部包装販売中止」は、同じ薬の別の包装は続くという意味になる
4
処方が続けられるかどうかは、医師と薬剤師に確認する。掲載状況が分かっても、代わりの薬を自分で決めることはできない
処方薬と市販薬の線引きは、商品ごとに違います。同じ名前で処方薬と市販薬の両方がある例を見ると、名前が同じでも成分量や買える場所が違うことが分かります。ユベラも同じで、ユベラ錠50mgとユベラ-Cソフトは別の製品です。片方が手に入らないからもう片方で代える、という置き換えはできません。
まとめ
2026年9月26日に確かめた5点
- ユベラ錠50mgは薬価6.3円/錠で掲載中。添付文書も2023年9月改訂版が公開されている
- ユベラNカプセル100mgとユベラNソフトカプセル200mgも各6.3円/カプセルで現役。製造会社はエーザイ
- ユベラ軟膏は5円/g。製造会社はアルフレッサファーマで、ユベラ錠と同じ
- 細粒と顆粒は現在の商品一覧に無い。終わっているのは剤形と包装の単位
- 第三類医薬品のユベラ-Cソフトは処方箋なしで買える。ヨドバシ.comで96包2,290円、192包4,290円
医療用医薬品の情報は、検索結果の見出しだけを読むと誤りやすいところです。販売名に薬価が付いているかどうかを見るのがいちばん速い確認方法で、薬価が付いていれば少なくとも制度の上では現役です。そのうえで、飲み続けられるかどうかは処方元に聞くのが確実です。
ユベラの掲載状況を確かめた一次情報(2026年9月26日取得)
- KEGG「医療用医薬品:ユベラ(ユベラ錠50mg)」(製造会社・薬価・YJコード・効能)
- KEGG「医療用医薬品:ユベラ(商品詳細情報)」(販売開始年月・剤形・貯法)
- KEGG「医療用医薬品:ユベラN」(カプセル100mg・ソフトカプセル200mgの薬価と効能)
- KEGG「医療用医薬品:ユベラ(ユベラ軟膏)」(薬価5円/g・効能)
- KEGG「一般用医薬品:ユベラ-Cソフト」(製造販売元・販売会社・成分・包装・効能)
- エーザイ 医療関係者向けサイト「ユベラ」(製品一覧と2026年3月3日付の一部包装販売中止のご案内。医療関係者向けのページです)
- ヨドバシ.com「ユベラ」検索結果(ユベラCソフトの価格と在庫)

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