アレルギーの薬として処方されるアレロックについて、「販売中止になった」という話が出ています。2026年9月24日に医療用医薬品の供給状況データベースと各社の発表を突き合わせたところ、錠剤2種類とOD錠2種類は協和キリンが販売を続けており、顆粒は2025年11月4日付で日新製薬へ製造販売承認が引き継がれていました。
つまり止まったのではなく、剤形ごとに扱う会社が分かれたというのが実際のところです。これに加えて、包装規格の単位で中止が積み重なっていること、そして2026年8月に一部ロットの自主回収があったことが、話をややこしくしています。
結論:剤形は4つとも残っている。顆粒だけ会社が替わった
| 販売名 | 扱う会社 | 薬価 |
|---|---|---|
| アレロック錠2.5 | 協和キリン(継続) | 13.6円/錠 |
| アレロック錠5 | 協和キリン(継続) | 16.8円/錠 |
| アレロックOD錠2.5 | 協和キリン(継続) | 13.6円/錠 |
| アレロックOD錠5 | 協和キリン(継続) | 16.8円/錠 |
| アレロック顆粒0.5% | 日新製薬へ承継(2025年11月4日) | 22.7円/g |
日新製薬と日新薬品が2025年8月に出したお知らせに、対象がはっきり書かれています。「なお、アレロック®顆粒0.5%以外のアレロック®錠2.5/5及びアレロック®OD錠2.5/5につきましては、協和キリンが販売を継続いたします。」承継日は2025年11月4日(火)、新しい製造販売元が日新製薬、販売元が日新薬品です。
承継はすでに公的なデータにも反映されています。JAPICの医療用医薬品情報でアレロック顆粒0.5%を引くと、製造会社の欄は「日新製薬-山形」になっていました。添付文書の版も2025年11月改訂(第2版)に更新されています。
供給状況のデータベースでは「販売移管」と「販売中止」が同時に付く
医療用医薬品供給状況データベースで「アレロック」を検索すると21件が並びます。協和キリンの顆粒3包装には「販売移管」と「販売中止」の2つの札が同時に付いており、実施日は2025年11月3日です。翌日から日新製薬の3包装が別の行として登場し、2026年9月16日付で通常出荷になっています。
| 包装 | 会社 | 状況 | 実施日 |
|---|---|---|---|
| 分包0.5g×200包 | 協和キリン | 販売移管・販売中止 | 2025年11月3日 |
| 分包0.5g×600包 | 協和キリン | 販売移管・販売中止 | 2025年11月3日 |
| バラ100g | 協和キリン | 販売移管・販売中止 | 2025年11月3日 |
| 分包0.5g×200包 | 日新製薬 | 通常出荷 | 2026年9月16日 |
| 分包0.5g×600包 | 日新製薬 | 通常出荷 | 2026年9月16日 |
| バラ100g | 日新製薬 | 通常出荷 | 2026年9月16日 |
ここが誤解のいちばんの入口です。協和キリン側の行だけを見れば「アレロック顆粒0.5% 販売中止」と読めます。同じ検索結果の下に日新製薬の行が並んでいることに気づかないと、製品そのものが終わったように見えてしまいます。
錠剤とOD錠は、包装規格ごとに整理が進んでいる
| 販売名と包装 | 状況 | 告知日/実施日 |
|---|---|---|
| アレロック錠2.5 PTP100錠 | 通常出荷 | 2022年8月24日/2022年9月1日 |
| アレロック錠2.5 PTP500錠 | 販売中止 | 2021年6月1日/2021年9月30日 |
| アレロック錠5 PTP100・500・1000錠 | 通常出荷 | 2022年8月24日/2022年9月1日 |
| アレロック錠5 バラ500錠 | 限定出荷・販売中止 | 2021年6月1日/2021年6月1日 |
| アレロック錠5 PTP700錠 | 販売中止 | 2024年4月8日/2024年6月30日 |
| アレロックOD錠2.5 PTP500錠 | 販売中止 | 2026年4月16日/2026年8月31日 |
| アレロックOD錠5 PTP100・500・1000錠 | 通常出荷 | 2022年8月24日/2022年9月1日 |
表のとおり、中止になっているのはバラ包装や大容量PTPといった特定の包装規格で、剤形そのものは残っています。いちばん新しい中止はアレロックOD錠2.5のPTP500錠で、実施日は2026年8月31日。薬局の在庫管理では影響が出ますが、処方できる薬が無くなるという話ではありません。
2026年8月に、一部ロットの自主回収があった
2026年に「アレロック」と「回収」が並んで話題になったのには理由があります。協和キリンは2026年8月17日から、アレロック錠5の2ロットについてクラスIIの自主回収に着手しました。
| 製品 | 包装規格 | ロット | 使用期限 |
|---|---|---|---|
| アレロック錠5 | 100錠PTP | 470PDA | 2027年1月 |
| アレロック錠5 | 500錠PTP | 470ADA | 2027年1月 |
回収理由は、ロット470ADAの「安定性モニタリング24箇月時点の溶出試験で規格不適合が確認された」こと。もう一方の470PDAは規格不適合そのものは確認されていないものの、「打錠工程までロット470ADAと同一の製造工程ロットであることから、予防的措置として回収対象」とされました。出荷時期は2024年5月から7月です。
健康への影響については、お知らせにこう書かれています。「有効性又は安全性への影響は極めて低く、重篤な健康被害が発生するおそれはないと考えております。なお、これまでに本件に起因すると考えられる健康被害の報告はありません。」
2021年にも顆粒で回収があった
以前この記事が取り上げていたのは、2021年の別の回収です。厚生労働省が公開している医薬品回収の概要(令和3年6月4日作成)に、アレロック顆粒0.5%のクラスII回収として記録されています。
回収理由の欄には、「顆粒充填機の不具合に起因すると考えられるトラブルにより、分包の充填量の規格を外れた製品(アレロック顆粒0.5%が未充填の1分包と2倍量充填された1分包がセットになったシート)の出荷が確認されたため、同時期に同一ラインで製造していた全ての製品を自主回収する」と書かれています。対象は0.5g×200包の13ロットと0.5g×600包の1ロットでした。
アレロックに起きたことの時系列(2026年9月24日に一次情報で確認)
2021年6月4日
顆粒0.5%のクラスII自主回収に着手。原因は顆粒充填機の不具合。重篤な健康被害につながる可能性はないと判断されている
2021年6月〜2024年6月
錠2.5のPTP500錠、錠5のバラ500錠とPTP700錠、OD錠2.5のPTP1000錠が順に中止。いずれも包装規格の整理
2025年11月4日
顆粒0.5%の製造販売承認が協和キリンから日新製薬へ承継。錠剤とOD錠は協和キリンが継続
2026年8月17日
錠5の2ロット(470ADA・470PDA)をクラスII自主回収。溶出試験の規格不適合による
2026年9月16日
日新製薬の顆粒3包装が通常出荷として記録される
市販薬で置き換えられる薬ではありません
アレロックは医師の処方が必要な薬です。有効成分のオロパタジン塩酸塩を含む飲み薬は、一般用医薬品としては売られていません。通販サイトで「アレロック」を検索しても、出てくるのは別の成分の市販薬です。
添付文書に書かれている効能・効果(2026年9月24日にJAPIC 医療用医薬品情報で確認)
成人
アレルギー性鼻炎、じん麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症、尋常性乾癬、多形滲出性紅斑)
小児
アレルギー性鼻炎、じん麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒。2歳以上7歳未満と7歳以上で1回量が分かれている
重要な基本的注意
「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること」と明記されている
アレロックを飲み続けるかどうかは、このページではなく処方元で決めてください。
回収の対象になるのはロット単位です。手元の薬が対象かどうかは、袋や説明書の情報だけでは分からないことが多いので、受け取った薬局に問い合わせてください。自分の判断で飲むのをやめる前に、処方元の医師か薬剤師に相談してください。
添付文書には「効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること」とも書かれています。飲み続けるかどうかも、医療者が判断する部分です。
市販のアレルギー用の飲み薬は、成分も効能の範囲も別物です。アレロックの代わりとして使えるという意味ではなく、軽い症状を自分で手当てするための薬として見てください。症状が強いとき、皮膚の症状が続くときは受診が先になります。
以前この記事に書いていたことを訂正します
| 旧本文 | 確認結果 |
|---|---|
| 2021年6月4日に顆粒0.5%の自主回収が行われた | 正しい。厚生労働省の医薬品回収の概要(令和3年6月4日作成)に記録がある |
| 2021年6月1日付でアレロック錠2.5の一部包装規格の販売中止の通知が出された | 正しい。供給状況データベースでもアレロック錠2.5のPTP500錠が告知2021年6月1日・実施2021年9月30日の販売中止として記録されている |
| 製造工程の見直しが進められているものの、現時点では再販の予定は発表されていない | 2026年9月24日時点では、顆粒は日新製薬から通常出荷。錠剤とOD錠も主要な包装が通常出荷で、「再販待ち」の状態ではない |
| デパケンR錠200mgの販売中止の通知も同時に出された | この記事の対象外の製品であり、アレロックの供給状況とは関係がないため削除 |
| オロパタジン塩酸塩を含む市販薬は存在しない | 2026年9月24日時点でも、オロパタジン塩酸塩の飲み薬は一般用医薬品として見当たらない |
口コミの節も作り直しました。以前は「X(旧Twitter)から集めた」として、投稿者名も投稿日もURLも無い引用を載せていました。薬の効き方や副作用に触れる内容で、出どころが示せないまま置かれていたものです。出典をたどれない引用は掲載しない方針にあわせ、削除しています。
同じ作り方の記事を順に見直しています。処方薬の供給状況の読み方はセレスタミンの供給状況、市販薬の「販売中止」の噂はガスター10の販売状況とタイレノールの販売状況でまとめました。
まとめ
アレロックは、2026年9月24日時点で販売が続いています。錠2.5・錠5・OD錠2.5・OD錠5は協和キリンが販売を継続し、顆粒0.5%は2025年11月4日付で日新製薬へ製造販売承認が承継されました。薬価は錠2.5とOD錠2.5が13.6円/錠、錠5とOD錠5が16.8円/錠、顆粒が22.7円/gです。
「販売中止」と表示されているのは、協和キリン側の顆粒の行(販売移管とセット)と、バラ包装や大容量PTPなど一部の包装規格です。日新製薬の顆粒3包装は2026年9月16日付で通常出荷として記録されています。
2026年8月17日に着手された自主回収は、アレロック錠5の2ロット(470ADA・470PDA、使用期限2027年1月)に限られたクラスIIの回収です。協和キリンは有効性・安全性への影響は極めて低く、健康被害の報告はないとしています。
この薬は処方箋が必要で、同じ成分の市販薬はありません。手元の薬が回収の対象かどうかは、受け取った薬局に確認するのがいちばん確実です。

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