蛍光灯の製造が終わると聞いて、「交換に補助金は出るのか」と調べている人が多いようです。結論から書くと、家庭の蛍光灯をLEDに替えることだけを対象にした国の補助金は、2026年10月1日時点で確認できませんでした。いっぽう事業者向けには、制御機能付きLED照明器具を指定設備に含む国の省エネ補助金が動いています。環境省とSII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)の公開情報で、どこまでが補助の対象なのかを切り分けます。
禁止されるのは製造と輸出入だけです。環境省は「蛍光ランプの使用・販売・購入は禁止されません」と明記しています。手元の蛍光灯をいますぐ捨てる必要はありません。
家庭向けに蛍光灯のLED化だけを対象にした国の補助金は確認できませんでした。調べたのは環境省の規制ページとSIIが公募している省エネ補助金の対象設備一覧です。
事業者向けには、「制御機能付きLED照明器具」が指定設備として補助対象に入っています(令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金・設備単位型)。ただし調光などの制御機能が付いた器具が対象で、ランプだけを替えるものではありません。
補助金を待つより先に決めることがあります。ランプだけ替えるのか、器具ごと替えるのか。環境省は「交換には工事が必要となる場合もあります」と注意しています。
禁止されるのは製造と輸出入。使うのも売るのも買うのも禁止されない
環境省の「一般照明用の蛍光ランプの規制について」は、水銀に関する水俣条約における製造・輸出入廃止の対象に一般照明用の蛍光ランプが追加されたこと、これを受けて日本でも一般照明用の蛍光ランプが製造・輸出入禁止になることを説明しています。
図1 環境省のページが明記していること
使用・販売・購入は禁止されない
ページに「蛍光ランプの使用・販売・購入は禁止されません」と書かれています。手元の蛍光灯をいま使い続けることも、在庫を買うこともできます。
禁止されるのは製造と輸出入
水銀汚染防止法で定める「特定水銀使用製品」は製造が原則禁止されます。2024年12月の施行令改正で、一般照明用蛍光ランプ全てが特定水銀使用製品に指定されました。
輸出入は外為法で規制
特定水銀使用製品の輸出入は、外国為替及び外国貿易法に基づき規制されます。詳細は経済産業省のページで案内されています。
つまり「2027年で蛍光灯が使えなくなる」というのは正確ではありません。作られなくなるだけで、手元の在庫も、店頭に並んでいるものも、これまでどおり使えます。買い置きの考え方や種類の見分け方は蛍光灯はいつまで買える?で扱っています。
種類別の禁止時期は2026年1月から段階的
環境省のページに掲載されている禁止時期を、そのまま表にします。禁止されるのは製造と輸出入です。
| 種類 | 禁止時期 | 例外・注記 |
|---|---|---|
| 電球形蛍光ランプ | 2026年1月1日より禁止 | 30Wを超えるものは2027年1月1日より禁止 |
| コンパクト形蛍光ランプ | 2027年1月1日より禁止 | — |
| 直管形蛍光ランプ | 2028年1月1日より禁止 | ハロりん酸塩を主成分とする蛍光体を用いたものは2027年1月1日より禁止 |
| 環形蛍光ランプ | 2028年1月1日より禁止 | ハロりん酸塩を主成分とする蛍光体を用いたものは2027年1月1日より禁止 |
手元の照明が蛍光ランプかどうかは、品番で見分けられます。環境省は「蛍光灯の品番は『F』か『EF』で始まるものが多いです(海外製品などでは、表記が異なる場合もあります)」としています。判断がつかない場合は、販売店やメーカーに問い合わせるよう案内されています。

家庭向けに「蛍光灯のLED化」を対象にした国の補助金は確認できなかった
ここが本題です。環境省の規制ページには、交換費用の補助についての記載はありません。書かれているのは、交換には工事が必要となる場合もあること、家電量販店や電器店等で相談してほしいこと、そして廃棄は自治体のルールに従うことだけです。
国の省エネ補助金を公募しているSIIのサイトも見ましたが、公募中の事業はいずれも事業者向けで、家庭の照明をLEDに替えることだけを対象にしたものは見当たりませんでした。2026年10月1日時点で確認できた範囲では、「蛍光灯をLEDに替えたら国からお金が出る」という制度は、一般家庭向けには見つかりません。
この記事で「確認できなかった」と書いている範囲
調べたのは、環境省「一般照明用の蛍光ランプの規制について」と、SIIが公募している省エネ関連事業の一覧および指定設備の補助対象設備一覧です。自治体が独自に設けている助成制度は対象地域が限られるため、この記事では個別に確認していません。お住まいの自治体の案内をご確認ください。
事業者向けには、制御機能付きLED照明器具が指定設備に入っている
いっぽう事業者向けには、国の補助金に照明が入っています。SIIが公募している「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」の『指定設備』補助対象設備一覧を開くと、ユーティリティ設備の区分に次のものが並んでいます。
| 区分 | 設備 |
|---|---|
| ユーティリティ設備 | 高効率空調、産業ヒートポンプ、業務用給湯器、高性能ボイラ、高効率コージェネレーション |
| 変圧器、冷凍冷蔵設備、産業用モータ、制御機能付きLED照明器具 | |
| 生産設備 | 工作機械、プラスチック加工機械、プレス機械、印刷機械、ダイカストマシン |
名前のとおり「制御機能付き」の照明器具です。調光や人感センサーなどの制御ができる器具が対象で、既存の器具にLEDランプだけを差し替えるものではありません。事務所や工場、店舗の照明をまとめて更新する場面向けの枠組みです。

事業者向けでも、先に買うと対象外になる
この補助金を使う場合、順番を間違えると受け取れません。SIIの一覧ページには「補助対象設備であっても、交付決定前に補助対象設備等の契約・発注等を行った場合は補助対象外となりますのでご注意ください」と赤字で書かれています。
照明が切れてから慌てて発注し、あとで補助金に気づいても間に合わない、ということです。設備の更新を考えている事業者は、公募のスケジュールを先に見てから発注する必要があります。同ページには、4次公募を10月上旬より実施する予定である旨も掲載されています。
税務の扱いについての案内も出ています。SIIのページには、この補助金について国税庁から圧縮記帳等の適用を受ける国庫補助金等に該当する旨の回答を得ているとして、適用にあたっては税理士等の専門家にも相談のうえ適切な経理処理をするよう案内されています。
補助金より先に決めること|ランプだけ替えるか、器具ごと替えるか
家庭の場合、補助金を待つ理由はいまのところありません。決めるべきは交換の方法です。
| 方法 | 内容 | 考えどころ |
|---|---|---|
| ランプだけ替える | いまの器具を残して、直管形や環形のLEDランプに差し替える | 器具の対応方式(グロー式・ラピッド式・インバータ式)で使える製品が変わる。環境省も交換に工事が必要となる場合があるとしている |
| 器具ごと替える | シーリングライトやベースライトごとLEDのものに交換する | 器具の寿命も一緒に更新できる。天井の配線器具の種類によっては電気工事が必要になる |
どちらにするかは、器具の古さで決まります。器具そのものが20年近く経っているなら、ランプだけ新しくしても器具側が先に寿命を迎えます。逆に器具が新しければ、ランプの差し替えで済む場合があります。
図2 交換の前に確認する順番
- いまの照明が蛍光ランプか確認する 品番が「F」か「EF」で始まるものが多い、というのが環境省の説明です。分からなければ販売店やメーカーに問い合わせます。
- 器具の点灯方式を確認する グロー式、ラピッド式、インバータ式で、差し替えられるLEDランプが変わります。器具側の表示または取扱説明書で確認します。
- 工事が要るかを確認する 環境省は「交換には工事が必要となる場合もあります。家電量販店や電器店等でご相談ください」としています。
- 外した蛍光灯の捨て方を確認する 家庭の場合は住んでいる自治体のルールに従って分別・排出します。オフィスや工場の場合は廃棄物処理法などの関連法令に従って処理します。
外した蛍光灯の捨て方
環境省のページは、廃棄方法を家庭と事業所で分けて書いています。家庭の場合は「お住まいの自治体のルールに従って分別・排出してください」。オフィス、工場の場合は「廃棄物処理法などの関連法令に従って適正に処理をしてください」です。
蛍光ランプには水銀が含まれています。可燃ごみや不燃ごみに混ぜてよいかは自治体で扱いが分かれるため、まとめて外す前に自治体の分別表を見ておくほうが確実です。
よくある質問
- 2027年を過ぎたら蛍光灯は使えなくなりますか。
- 環境省のページには「蛍光ランプの使用・販売・購入は禁止されません」と明記されています。禁止されるのは製造と輸出入です。
- 家庭でLEDに替えると国から補助金が出ますか。
- 2026年10月1日時点で、家庭の蛍光灯をLEDに替えることだけを対象にした国の補助金は確認できませんでした。自治体が独自に助成を設けている場合があるため、お住まいの自治体の案内をご確認ください。
- 会社の事務所の照明なら補助金の対象になりますか。
- SIIが公募している省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)の指定設備に「制御機能付きLED照明器具」が含まれています。ただし交付決定前に契約・発注を行った場合は対象外になるとされています。公募要領で要件を確認してください。
- 直管形はまだ製造されていますか。
- 環境省の表では、直管形蛍光ランプの製造・輸出入禁止は2028年1月1日からです。ただしハロりん酸塩を主成分とする蛍光体を用いたものは2027年1月1日からとされています。
- LEDランプに差し替えるだけで使えますか。
- 器具の点灯方式によります。環境省も交換には工事が必要となる場合があるとして、家電量販店や電器店等で相談するよう案内しています。
まとめ
蛍光ランプの製造・輸出入は、2026年1月の電球形を皮切りに、種類ごとに段階的に禁止されます。使用・販売・購入は禁止されないので、手元の在庫も店頭のものもこれまでどおり使えます。
家庭向けに「蛍光灯をLEDに替える」ことだけを対象にした国の補助金は、確認できた範囲では見つかりませんでした。事業者向けには、制御機能付きLED照明器具を指定設備に含む省エネ補助金があります。ただし交付決定前の契約・発注は対象外です。
家庭で先に決めるのは、ランプだけ替えるか器具ごと替えるかです。器具の点灯方式と、工事が要るかどうかを確認してから選んでください。種類ごとの期限と買い置きの考え方は蛍光灯はいつまで買える?にまとめています。
参考にした一次情報
- 環境省「一般照明用の蛍光ランプの規制について」https://www.env.go.jp/chemi/tmms/lamp.html(水俣条約の対象追加、種類別の製造・輸出入禁止時期、2024年12月の水銀汚染防止法施行令改正、蛍光ランプの見分け方、使用・販売・購入は禁止されないこと、交換に工事が必要となる場合があること、家庭と事業所の廃棄方法)
- SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)「『指定設備』補助対象設備一覧」(令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金・設備単位型)https://sii.or.jp/setsubi07r/search/(ユーティリティ設備に「制御機能付きLED照明器具」が含まれること、交付決定前の契約・発注は補助対象外であること、令和8年9月29日時点の掲載)
- SII「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」事業トップhttps://sii.or.jp/setsubi07r/(4次公募を10月上旬より実施予定であること、圧縮記帳等について国税庁から国庫補助金等に該当する旨の回答を得ているとの案内)
- 一般社団法人日本照明工業会「一般照明用と特殊用途の製品例」https://www.jlma.or.jp/kankyo/suigin/docs/suigin_lamp_youto2024.pdf(環境省が「一般照明用」「特殊用途」の製品例の参照先として案内している資料)
掲載内容は2026年10月1日に各公式ページで表示されていたものです。補助金の公募状況・要件・スケジュールは変わります。申請を検討する場合は、必ず公募要領で最新の条件をご確認ください。自治体の助成制度はこの記事では確認しておらず、有無や内容はお住まいの自治体にご確認ください。

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