ゲンタシン軟膏はどこで買える?医療用医薬品なので市販はなし。包装は10g×10本、市販の代わりはクロロマイセチン軟膏2%Aの15g税込1,408円など

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PMDAの医療用医薬品データベースのゲンタマイシン硫酸塩のページを使ったアイキャッチ画像

以前に処方されたゲンタシン軟膏が切れて、同じものをドラッグストアで買い足せないかと考える人は多いはずです。結論から書くと、ゲンタシン軟膏は医療用医薬品で、薬局の店頭で自分で選んで買うことはできません。2026年11月6日に、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医療用医薬品データベースと、2023年3月改訂の電子添文(添付文書)、それに市販の化膿止め各社の公式ページを読み、なぜ買えないのか、市販で代わりになり得る薬は何か、成分と値段はどう違うのかを並べて確認しました。市販薬にはゲンタマイシンを含むものが見当たらず、別の抗生物質を配合した製品がその位置を埋めています。

2026年11月6日に公式情報で確認できたこと

区分
ゲンタシン軟膏0.1%は医療用医薬品。日本標準商品分類番号は872634で、PMDAの医療用医薬品のデータベースに載っている
買えるか
市販されていない。入手には医師の診察と処方が要る
製造販売元
高田製薬株式会社。販売開始は1970年6月
包装
10g×10本。1本単位の消費者向け包装ではない
市販の代わり
クロロマイセチン軟膏2%A(15g 税込1,408円)など、別の抗生物質を配合した第2類医薬品がある
注意
電子添文は「長期間連用しないこと」「眼科用に使用しないこと」と定めている
目次

ゲンタシン軟膏は医療用医薬品。ドラッグストアの棚には並ばない

ゲンタシン軟膏0.1%は、高田製薬が製造販売するアミノグリコシド系抗生物質製剤です。電子添文の冒頭には日本標準商品分類番号として872634が記されています。この番号の先頭「87」は医療用医薬品を表すもので、一般用医薬品とは別の枠です。PMDAの医療用医薬品データベースで一般名「ゲンタマイシン硫酸塩」を引くと、ゲンタシン軟膏0.1%とゲンタシンクリーム0.1%が高田製薬の製品として並び、後発品としてゲンタマイシン硫酸塩軟膏0.1%「イワキ」(岩城製薬)とゲンタマイシン硫酸塩軟膏0.1%「F」(富士製薬工業)が掲載されています。

包装の記載も、消費者向けではないことを示しています。電子添文の「22. 包装」はゲンタシン軟膏0.1%、ゲンタシンクリーム0.1%とも「10g×10本」とだけ書いています。1本ずつ箱に入れて小売店に並べる形ではなく、医療機関や調剤薬局へ10本単位で納入する形です。

PMDAの医療用医薬品データベースで一般名ゲンタマイシン硫酸塩を表示した画面。販売名としてゲンタシン軟膏0.1%が高田製薬株式会社の製造販売元で並び、添付文書のPDFとHTML、インタビューフォームへのリンクが置かれ、後発品として岩城製薬と富士製薬工業の製品が続いている
PMDAの医療用医薬品データベース。一般名「ゲンタマイシン硫酸塩」のページに、ゲンタシン軟膏0.1%と後発品2製品が医療用医薬品として掲載されている(2026年11月6日に表示)。

電子添文が示す適応症は「表在性皮膚感染症、慢性膿皮症、びらん・潰瘍の二次感染」で、適応菌種にはブドウ球菌属、レンサ球菌属(肺炎球菌を除く)、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌が挙げられています。緑膿菌まで含むのがこの薬の特徴です。用法は「1日1〜数回患部に塗布するか、あるいはガーゼなどにのばしたものを患部に貼付する」とされています。

市販薬にゲンタマイシン配合品は見当たらない。別の抗生物質が代わりに入っている

「成分が同じ市販薬」を探す人もいますが、2026年11月6日時点で、ゲンタマイシン硫酸塩を配合した一般用医薬品は確認できませんでした。ドラッグストアの化膿止めの棚に並んでいるのは、別の抗生物質を使った製品です。

ゲンタシン軟膏と、市販されている主な化膿性皮膚疾患用薬の配合成分(2026年11月6日に電子添文と各社公式ページで確認)
製品 区分 配合されている抗生物質 製造販売元
ゲンタシン軟膏0.1% 医療用医薬品 ゲンタマイシン硫酸塩 1mg(力価)/1g 高田製薬
クロロマイセチン軟膏2%A 第2類医薬品 クロラムフェニコール 2g(力価)/100g 第一三共ヘルスケア
ドルマイシン軟膏 第2類医薬品 コリスチン硫酸塩とバシトラシンの2種 ゼリア新薬工業
テラマイシン軟膏a 第2類医薬品 オキシテトラサイクリンとポリミキシンBの2種 アリナミン製薬

第一三共ヘルスケアの公式ページによると、クロロマイセチン軟膏2%Aは「抗生物質クロラムフェニコールが化膿した患部を治します」という製品で、効能・効果は「化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎)」です。包装は15g、メーカー希望小売価格は税抜1,280円・税込1,408円と公表されています。

ゼリア新薬工業の公式ページは、ドルマイシン軟膏について「二種類の抗生物質を配合しているので、多くの菌に対して抗菌作用を示します。コリスチン硫酸塩は、グラム陰性菌、緑膿菌に有効で、バシトラシンはペニシリンと近似の抗菌スペクトルでグラム陽性・陰性菌に有効です」と説明しています。緑膿菌に対応する成分が入っている点は、ゲンタシンと方向性が近いところです。

成分が違うということは、避けるべき人も違うということです。ゲンタシン軟膏の電子添文は、禁忌として「本剤並びに他のアミノグリコシド系抗生物質及びバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者」を挙げています。ドルマイシン軟膏にはそのバシトラシンが配合されています。過去にゲンタシンでアレルギー症状が出たことがある人は、市販薬の成分欄を読んでから選ぶ必要があります。

どの市販薬を選ぶかの判断は、薬剤師や登録販売者に相談するのが前提です。この記事は「どこで買えるか」と「成分がどう違うか」を公式情報で確かめたもので、どれを使うべきかを決めるものではありません。第一三共ヘルスケアの公式ページも、患部が広範囲の人、湿潤やただれのひどい人、深い傷やひどいやけどの人は使用前に相談するよう求めています。

医療用と市販薬で、使い方の注意はどこまで同じか

ゲンタシン軟膏の電子添文と、クロロマイセチン軟膏2%Aの公式ページを並べると、共通している注意と、市販薬だけに書かれている注意が見えてきます。

同じ注意と、違う注意

どちらにも書かれている

長期連用を避けること。目に使わないこと。ゲンタシン軟膏の電子添文は「8.3 長期間連用しないこと」「14.1 眼科用に使用しないこと」と定め、クロロマイセチン軟膏2%Aの公式ページも「長期連用しないで下さい」「目や目の周囲には使用しないで下さい」と書いている。

市販薬だけに書かれている

使用日数の目安。クロロマイセチン軟膏2%Aは「5〜6日間使用しても症状がよくならない場合は使用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談して下さい」と区切りを示している。医療用のゲンタシン軟膏にはこの日数の記載がなく、医師が期間を決める前提になっている。

2026年11月6日に、ゲンタシン軟膏0.1%の電子添文(2023年3月改訂・第1版)と第一三共ヘルスケアの製品ページを読み比べたもの。

ゲンタシン軟膏の電子添文には、市販薬の説明にはあまり出てこない注意も書かれています。「8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること」。感受性の確認は医療機関でしかできません。診察を経ずに使う薬ではない、という前提がここに表れています。

第一三共ヘルスケアのクロロマイセチン軟膏2%Aの製品ページ。第2類医薬品の表示と、化膿したおでき、ふきでものにというキャッチ、15gで税込1,408円というメーカー希望小売価格、添付文書へのリンクが並んでいる
第一三共ヘルスケア「クロロマイセチン軟膏2%A」の製品ページ。第2類医薬品で、15g・税込1,408円と表示されている(2026年11月6日に表示)。

副作用の書かれ方が違う。医療用は発生頻度まで載せている

電子添文は、医療従事者が読むことを前提にしているため、情報の粒度が市販薬の説明文書より細かくなっています。ゲンタシン軟膏の場合、副作用は発生頻度つきで示されています。

ゲンタシン軟膏0.1%の電子添文に記載された副作用(2026年11月6日に2023年3月改訂版で確認)
関係部位 症状 頻度
過敏症 発疹 0.1%未満
その他 腎障害、難聴 頻度不明

電子添文は「8.2 感作されるおそれがあるので、観察を十分に行い感作されたことを示す兆候(そう痒、発赤、腫脹、丘疹、小水疱等)があらわれた場合には使用を中止すること」とも定めています。塗り薬でも体質に合わないことがあるという書き方は、市販の化膿止めとも共通しています。

有効性についても、電子添文は国内一般臨床試験237例の数字を載せています。表在性皮膚感染症が82.8%(106/128)、湿疹及び類症の二次感染が69.8%(37/53)、慢性膿皮症の二次感染が64.9%(24/37)、びらん・潰瘍の二次感染が57.9%(11/19)という有効率です。対象となる症状によって結果が大きく違うことが、数字から読み取れます。

ゲンタシン軟膏・クリームの国内一般臨床試験237例における有効率(電子添文 17.1.1 より)
対象 有効率 内訳
表在性皮膚感染症 82.8% 106/128例
湿疹及び類症の二次感染 69.8% 37/53例
慢性膿皮症の二次感染 64.9% 24/37例
びらん・潰瘍の二次感染 57.9% 11/19例

処方してもらうときに知っておくとよいこと

市販薬で様子を見るか、受診して処方を受けるかを決める材料として、公式情報からわかる範囲を整理します。

公式情報から読み取れる3つの違い

POINT 1

カバーする菌の範囲

ゲンタシン軟膏の適応菌種には緑膿菌が含まれます。市販薬では、ドルマイシン軟膏のコリスチン硫酸塩が緑膿菌に有効とゼリア新薬工業が説明しています。クロロマイセチン軟膏2%Aのクロラムフェニコールについては、公式ページに緑膿菌の記載はありません。

POINT 2

効能・効果の書き方

医療用は「表在性皮膚感染症、慢性膿皮症、びらん・潰瘍の二次感染」という疾患名で書かれています。市販薬は「化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎)」のように、生活の言葉に近い形で範囲が限定されています。

POINT 3

相談の目安

市販薬は5〜6日という区切りが書かれているので、そこまでに良くならなければ受診の判断がしやすくなっています。医療用は医師が期間を決めるため、電子添文に日数の目安はありません。

ゲンタシン軟膏0.1%の電子添文、第一三共ヘルスケアとゼリア新薬工業の公式ページから整理(2026年11月6日に確認)。

なお、医薬品の表示でよく見る「販売終了」「経過措置」といった言葉の意味は、製品が店から消える理由と結びついています。言葉の違いは廃盤とは?生産終了・販売終了・終売・休売の違いで整理しています。処方薬と市販薬の線引きという点では、2026年に市販されるようになった避妊薬はどこで買える?も、区分が変わると買い方がどう変わるかの例になります。

よくある質問

ゲンタシン軟膏を通販で買えますか

買えません。医療用医薬品なので、一般用医薬品のように通信販売の対象にはなりません。ゲンタマイシン硫酸塩を配合した一般用医薬品も、2026年11月6日時点で確認できませんでした。

以前に処方された分が余っています。使ってもよいですか

電子添文は使用期限を3年、貯法を室温保存と定めていますが、これは未開封の製品についての記載です。処方は診察時の症状に対して出されたものなので、別の症状に使ってよいかは判断できません。電子添文も「原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること」としています。

市販のクロロマイセチン軟膏とゲンタシン軟膏は同じものですか

違います。ゲンタシン軟膏の有効成分はゲンタマイシン硫酸塩で、クロロマイセチン軟膏2%Aの有効成分はクロラムフェニコールです。系統が異なる抗生物質で、効能・効果の書かれ方も区分も違います。

ジェネリックなら安く買えますか

後発品も医療用医薬品です。PMDAのデータベースには、ゲンタマイシン硫酸塩軟膏0.1%「イワキ」(岩城製薬)とゲンタマイシン硫酸塩軟膏0.1%「F」(富士製薬工業)が掲載されていますが、いずれも処方が必要で、店頭で自分で買うことはできません。

ゲンタシンクリームと軟膏はどう違いますか

有効成分の量は同じで、どちらも1g中にゲンタマイシン硫酸塩1mg(力価)を含みます。違うのは基剤と性状で、電子添文は軟膏を「白色〜微黄色の半透明のなめらかな半固体であり、においはほとんどない」、クリームを「白色でなめらかな半固体である」と記しています。承認番号も22000AMX02070(軟膏)と22000AMX02071(クリーム)で別です。

出典

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