バイアグラはどこで買える?薬局もネット通販も扱えない処方箋医薬品。入手は対面受診かオンライン診療の2つで、保険が効くのは勃起不全による男性不妊だけ

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バイアグラはどこで買える?PMDAの医療用医薬品詳細表示で処方せん医薬品と表示されているバイアグラ錠の添付文書の画面

「バイアグラはどこで買える?」を薬局やネット通販の棚で探しても見つかりません。バイアグラは国の制度上「処方箋医薬品」に指定されていて、店頭でもインターネットでも、処方箋なしに売ることができない薬だからです。では実際にどこを通れば手に入るのか。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の添付文書、厚生労働省の資料、法令の条文を見て、入手できる場所と、手を出すと危ない場所を分けて整理します。

先に要点

  • バイアグラ錠25mg・50mgとバイアグラODフィルム25mg・50mgは処方箋医薬品で、製造販売元はヴィアトリス製薬合同会社。錠は1999年3月、ODフィルムは2016年10月に販売を始めている。
  • 薬局開設者や販売業者が、処方箋の交付を受けていない人へ処方箋医薬品を売ることは、医薬品医療機器等法第49条が禁じている。だから薬局・ドラッグストア・Amazon・楽天市場のいずれにも並ばない。
  • 入手できるのは医療機関を受診するルートだけで、形は対面とオンライン診療の2つ。費用は原則が自費で、保険が使えるのは「勃起不全による男性不妊」の治療に限られる。
  • 海外サイトからの個人輸入は、厚生労働省が健康被害の救済制度の対象外だと明記している。同省が海外サイトから買い上げた69製品のうち58製品から医薬品成分が検出されている。
目次

薬局・ドラッグストア・ネット通販のどこにも並ばない

最初に、探しても無い場所と、通れる場所を分けておきます。市販の風邪薬や湿布と違い、バイアグラは「売り場」そのものが存在しません。買い物の手順ではなく、受診の手順になります。

バイアグラを探せる場所と探せない場所(法令と添付文書の記載から整理)
場所 扱い 根拠
薬局・ドラッグストアの棚 置かれない 処方箋医薬品は、処方箋の交付を受けた人以外へ販売・授与できない
Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピング 取り扱えない 同上。通信販売でも処方箋医薬品の区分は変わらない
コンビニ・ディスカウントストア 置かれない 同上
医療機関(対面で受診) 処方を受けられる 医師が診察して必要と判断した場合
医療機関(オンライン診療) 処方を受けられる場合がある 厚生労働省の指針の範囲内で、医師が判断した場合
薬局の調剤窓口 処方箋があれば受け取れる 院外処方のとき

市販薬として買える薬と区分が違う点は、ロキソニンはどこで買える?で扱った第1類医薬品とも違います。第1類医薬品は薬剤師の関与があれば処方箋なしで買えますが、処方箋医薬品にはその道がありません。

区分は「処方箋医薬品」。PMDAの添付文書で確認できる

PMDAが公開している医療用医薬品の詳細表示を開くと、販売名の下に規制区分が書かれています。バイアグラ錠25mg・50mgとバイアグラODフィルム25mg・50mgは、いずれも「処方せん医薬品」と表示され、注記として医師の処方箋により使用することが示されています。

PMDAの医療用医薬品詳細表示の画面。バイアグラ錠25mg/バイアグラ錠50mg/バイアグラODフィルム25mg/バイアグラODフィルム50mgの下に処方せん医薬品と表示され、右側に警告と禁忌が並んでいる
PMDAの医療用医薬品詳細表示。販売名の下に規制区分、右側に警告と禁忌が並ぶ(2026年10月22日に表示)。

添付文書に載っている基本的な事項は次のとおりです。価格は書かれていません。後述するとおり、原則として公定価格のない自費診療の薬だからです。

バイアグラの添付文書に記載された事項(PMDA 2024年7月改訂・第8版)
製造販売元 ヴィアトリス製薬合同会社
規制区分 処方せん医薬品
有効成分 シルデナフィルクエン酸塩
剤形と規格 錠25mg/錠50mg/ODフィルム25mg/ODフィルム50mg
効能・効果 勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持が出来ない患者)
販売開始 錠は1999年3月、ODフィルムは2016年10月
承認番号 錠25mg 21100AMZ00053/錠50mg 21100AMZ00054/ODフィルム25mg 22800AMX00667/ODフィルム50mg 22800AMX00668
貯法 室温保存

「処方箋医薬品」という区分がどれだけ強い制約なのかは、条文を読むと分かります。医薬品医療機器等法第49条は販売する側を縛り、医師法第20条は処方する側を縛っています。

薬局開設者又は医薬品の販売業者は、医師、歯科医師又は獣医師から処方箋の交付を受けた者以外の者に対して、正当な理由なく、厚生労働大臣の指定する医薬品を販売し、又は授与してはならない。(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第49条第1項)

医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。(医師法 第20条)

売る側に「処方箋を持っていない人には渡すな」と書き、処方する側に「診察せずに処方箋を書くな」と書く。この2本で、診察を通らない入手経路は制度の上から外されています。

名前の似た薬が3種類ある。買う前に見分ける

シルデナフィルという成分名で調べると、目的の違う製品が混ざって出てきます。同じ成分でも効能・効果と飲み方がまったく違うため、ここを取り違えると話が噛み合いません。国内で承認されているものを並べます。

シルデナフィルおよび同系統の国内承認薬(各製品のPMDA公開情報より)
販売名 有効成分 製造販売元 効能・効果
バイアグラ錠25mg・50mg/ODフィルム シルデナフィルクエン酸塩 ヴィアトリス製薬合同会社 勃起不全
シルデナフィル錠25mgVI・50mgVI ほか シルデナフィルクエン酸塩 後発医薬品各社 勃起不全
レバチオ錠20mg ほか シルデナフィルクエン酸塩 ヴィアトリス製薬合同会社 肺動脈性肺高血圧症
シアリス錠5mg・10mg・20mg タダラフィル 日本新薬株式会社 勃起不全

後発医薬品の販売名の末尾に付く「VI」が、勃起不全に使う側であることの目印です。レバチオは同じシルデナフィルでも肺動脈性肺高血圧症の薬で、用法が1回20mgを1日3回と毎日飲む形になっています。

後発医薬品の患者向医薬品ガイド(2026年4月更新のシルデナフィル錠50mgVI「YD」)には、読む前に知っておきたい但し書きが並んでいます。

この薬は、勃起不全や他の病気を診断するために過去にかかった病気の調査や検査を行い、治療が必要と判断された人に限り、医師の判断により処方されます。/この薬は、催淫剤または性欲増進剤ではありません。/この薬には、性行為感染症を防ぐ効果はありません。

入手ルートは2つだけ。対面とオンライン診療

制度の上で残っている道は、どちらも医師の診察を通ります。違うのは診察の形と、受け取り方です。

処方を受けるまでの2つの道筋

対面で受診する

泌尿器科や男性外来などを受診し、問診と必要な検査を受ける。院内処方なら会計時に薬を受け取り、院外処方なら処方箋を持って薬局の調剤窓口へ行く。併用している薬や持病をその場で確認してもらえる。

オンライン診療を受ける

ビデオ通話などで診察を受け、薬は配送または薬局で受け取る。厚生労働省の指針に沿って行われるため、初診でできる処方には制限がある。禁忌の確認に足りる情報が得られない場合、医師は処方しない判断をする。

どちらの道筋も医師の診察を経る。診察を通らない入手経路は制度上に存在しない。

オンライン診療の側には、名指しの注意書きがあります。厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(平成30年3月作成、令和8年4月改訂)は、不適切な例として次の形を挙げています。

勃起不全治療薬等の医薬品を、禁忌の確認を行うのに十分な情報が得られていないにもかかわらず、オンライン診療のみで処方する例(オンライン診療の適切な実施に関する指針「薬剤処方・管理」の不適切な例)

同じ指針は、初診の場合に行わない処方も列挙しています。基礎疾患などの情報が把握できていない患者に対しては、8日分以上の処方を行わないことが最低限遵守する事項に入っています。「初回から大量にまとめて出す」形は、指針の上では想定されていません。

オンライン診療の指針が初診で行わないとしている処方
麻薬・向精神薬 処方しない
特に安全管理が必要な薬品 基礎疾患等の情報が把握できていない患者には処方しない
8日分以上のまとめ処方 基礎疾患等の情報が把握できていない患者には処方しない

費用は原則が自費。保険が効くのは男性不妊の治療だけ

医療機関で処方を受けられても、健康保険が使えるとは限りません。勃起不全そのものの治療として飲む場合は自費です。ここが、ほかの処方薬と費用感が大きく違うところです。

ただし例外があります。厚生労働省が中央社会保険医療協議会へ示した「不妊治療に関する支援について」の資料では、薬価収載予定・薬事承認済みの医薬品の表にバイアグラ錠25mgほかとシアリス錠5mgほかが挙げられ、その注記に次のように書かれています。

保険適用の対象として想定されるのは、勃起不全による男性不妊のみ(厚生労働省「不妊治療に関する支援について」表1の注記)

目的別に見た費用の扱い
目的 保険 価格の決まり方
勃起不全の治療として飲む 使えない 自費。医療機関が決めるため、同じ薬でも金額が変わる
勃起不全による男性不妊の治療 対象として想定されている 保険診療の自己負担割合による
肺動脈性肺高血圧症の治療 対象 レバチオなど別の薬が使われる

自費になるぶん、価格は医療機関ごとに違います。安さだけで探すと次の節の落とし穴に向かうことになるので、金額を比べるなら診療している医療機関どうしで比べてください。

海外通販と個人輸入が危ない理由は、数字で出ている

検索すると「通販で買える」とうたうサイトが出てきます。その多くは海外からの個人輸入の代行です。厚生労働省は、個人輸入した医薬品について警告を出しています。

厚生労働省の医薬品等を海外から購入しようとされる方への公式ページの画面。医薬品等の個人輸入は健康被害などの危険性がありますという見出しが表示されている
厚生労働省のページ。個人輸入の危険性と、国内承認品との違いが説明されている(2026年10月22日に表示)。

このページで特に効いてくるのが、救済制度の扱いです。国内で承認された医薬品を適正に使って重い副作用が出た場合は医薬品副作用被害救済制度の対象になりますが、個人輸入した医薬品による健康被害は救済対象になりません。何かあったときに後ろ盾が無いということです。

では実際にどれくらいの割合で中身が違うのか。厚生労働省は平成23年度から、海外に所在地のある販売サイトから製品を買い上げて分析する調査を行っています。その結果が公表されています。

海外サイトから買い上げた製品の分析結果(平成23年度インターネット販売製品の買上調査)

69製品中58製品

買い上げた製品のうち、医薬品成分が検出されたもの

57製品中53製品

強壮用をうたう健康食品のうち、医薬品成分が検出されたもの

7種類

強壮用から検出された医薬品成分の種類

厚生労働省が公表した買上調査の結果。強壮用をうたう製品では9割超から医薬品成分が検出されている。

検出されたのは、シルデナフィルとタダラフィルというED治療薬の成分のほか、ヒドロキシホモシルデナフィル、ヒドロキシホンデナフィル、アセチルアシッド、ホンデナフィルというシルデナフィル類似化合物と、イミダゾサガトリアジノンというバルデナフィル系化合物です。類似化合物のほうは、厚生労働省の資料に「国内外で医薬品として承認されていませんが、シルデナフィルと同様な作用を有することが考えられ、健康被害の発生するおそれが否定できません」と書かれています。

「健康食品」の顔をして医薬品成分が入っているものがある。

医師の診察を受けずに飲むと、禁忌の確認が一切なされません。バイアグラの添付文書は、硝酸剤や一酸化窒素供与剤との併用で過度に血圧が下がること、死亡例を含む心筋梗塞などの重篤な有害事象が報告されていることを警告として冒頭に置いています。成分が表示されていない製品では、その確認のしようがありません。

「同じ効果」をうたう健康食品は、別のものとして扱う

厚生労働省は、医薬品成分が検出されたいわゆる健康食品の一覧を公表しています。シルデナフィルおよび類似成分が検出された製品だけで、1番から360番まで並んでいます。公表日は平成15年4月から平成25年12月までの範囲です。

厚生労働省の医薬品成分(シルデナフィル及び類似成分)が検出されたいわゆる健康食品についての公式ページの画面。商品名・公表日・形状・標榜・検出された医薬品成分・健康被害報告の有無の表が並んでいる
厚生労働省のページ。商品名ごとに検出された成分と健康被害報告の有無が並ぶ(2026年10月22日に表示)。

表の「標榜」の列を見ると、多くが「特になし」です。効能をうたわずに売られているため、箱の表示からは中身が分かりません。通販サイトで強壮をうたうサプリメントを見かけたとき、それが医薬品成分を含まない保証はどこにもない、というのがこの一覧の意味するところです。アフターピルはどこで買える?でも触れたとおり、薬の区分は商品ジャンルではなく国の指定で決まります。

受診する前に整理しておくこと

診察では、飲んでいる薬と持病を確認されます。添付文書の禁忌に挙がっている項目を知っておくと、何を聞かれるのかが分かります。

バイアグラの添付文書に挙げられた禁忌(投与しない場合)の主な内容
併用する薬 硝酸剤・一酸化窒素供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)を投与中、アミオダロン塩酸塩(経口剤)を投与中、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤を投与中
心血管系の状態 心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者、脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往が最近6か月以内にある患者
血圧 低血圧の患者、治療による管理がなされていない高血圧の患者
臓器の状態 重度の肝機能障害のある患者
その他 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、網膜色素変性症患者

この一覧は診察の代わりになるものではありません。あてはまるかどうかの判断は医師が行います。お薬手帳を持っていくと確認が早く済みます。

よくある質問

バイアグラは市販薬として売られていないのですか

売られていません。PMDAの添付文書で規制区分が処方せん医薬品と表示されており、処方箋の交付を受けた人以外への販売を医薬品医療機器等法第49条が禁じています。市販薬として承認されたED治療薬は国内にありません。

ネット通販で見かけるのはどういう仕組みですか

多くは海外からの個人輸入やその代行です。厚生労働省は、個人輸入した医薬品による健康被害は医薬品副作用被害救済制度の救済対象にならないと明記しています。同省が海外サイトから買い上げた強壮用の健康食品では、57製品中53製品から医薬品成分が検出されています。

ジェネリックはありますか

あります。シルデナフィル錠25mgVI・50mgVIなどの後発医薬品が複数の会社から出ています。販売名の末尾の「VI」が、勃起不全に使う側であることの目印です。いずれも処方箋医薬品なので、入手には診察が必要です。

オンライン診療なら初診でもすぐ処方されますか

必ず処方されるわけではありません。厚生労働省の指針は、禁忌の確認に足りる情報が得られていないのにオンライン診療のみで勃起不全治療薬を処方する例を、不適切な例として挙げています。基礎疾患などの情報が把握できていない患者への8日分以上の処方も、初診では行わないこととされています。

保険は使えますか

勃起不全そのものの治療としては使えません。厚生労働省が示した資料では、保険適用の対象として想定されるのは勃起不全による男性不妊のみと注記されています。それ以外は自費で、価格は医療機関ごとに決まります。

出典

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