店の電池売り場からマンガン電池が減った、という話をよく見かけます。実際に検索すると「生産終了」という言葉が並びます。ところがメーカーの商品ページを1つずつ開くと、終わったものと今も売られているものがきれいに分かれていました。パナソニックとマクセルの公式ページで確認できた範囲を、型番ごとに並べます。
パナソニックで生産終了の表示が出ているのは「マンガン乾電池ネオ赤」です。
同じネオでも黒は生産終了の表示がなく、メーカー希望小売価格が今も掲載されています。赤はナショナルブランドの商品で、商品ページに「生産終了」と明示されています。マクセルもマンガン乾電池「BLACK」を個人向けサイトのラインアップに載せており、マンガン乾電池という区分そのものが終わったわけではありません。
生産終了と書かれているのは「ネオ赤」だった
パナソニックの商品ページは、生産が終わった型番に「生産終了」の札を出します。マンガン乾電池ネオ赤の単3形4個パック、型番R6PNR/4SEを開くと、商品名の横と右側の情報欄の両方にその表示が出ています。ページには「ナショナルのブランドです。」という一文も添えられていて、社名変更前のブランドを引き継いだ商品であることが分かります。

一方、ネオ黒の同じ単3形4個パック、型番R6PNB/4VSEには生産終了の表示がありません。メーカー希望小売価格399円(税込)がそのまま載っています。赤と黒は見た目の色だけでなく、扱いそのものが別になっていました。
| 型番 | 商品名 | 希望小売価格(税込) | 生産終了の表示 |
|---|---|---|---|
| R20PNB/2VSE | マンガン乾電池ネオ黒 単1形2個パック | 399円 | なし |
| R14PNB/2VSE | マンガン乾電池ネオ黒 単2形2個パック | 290円 | なし |
| R6PNB/4VSE | マンガン乾電池ネオ黒 単3形4個パック | 399円 | なし |
| R03NB/4S | マンガン乾電池ネオ黒 単4形4個パック | 351円 | なし |
| R20PNR/2SE | マンガン乾電池ネオ赤 単1形2個パック | 231円 | あり |
| R6PNR/4SE | マンガン乾電池ネオ赤 単3形4個パック | 242円 | あり |
価格の並びを見ると、赤のほうが安く設定されていたことも分かります。安いほうの系統が整理され、性能の高い黒が残った、という読み方ができます。
ネオ黒は掲載が続いている型番なので、近所の店で見つからないときは取り扱いのある通販で型番を指定して探すのが早道です。
なぜ「見かけなくなった」と感じるのか
パナソニックの乾電池カテゴリーのトップページを開くと、並んでいるのはアルカリ乾電池と1.5Vリチウム乾電池の2つだけです。マンガン乾電池はこの一覧に見出しとして出てきません。個別の型番ページは残っているので買えなくなったわけではないのですが、サイトを上から順にたどる人の目には入りません。
売り場の変化もあります。アルカリ乾電池はマンガン乾電池の約2倍から5倍長持ちすると電池工業会が説明しており、同じ棚の面積ならアルカリを置いたほうが回転します。結果として、マンガン乾電池の棚が縮んだ、というのが実際に起きていることに近いはずです。
マクセルは今もラインアップに載せている
メーカーはパナソニックだけではありません。マクセルは個人向けサイトにマンガン乾電池「BLACK」のページを持っており、単1形から9V形まで5種類の型番を表にして掲載しています。価格はオープン価格です。

| タイプ | 型番 | 入数 | 価格 |
|---|---|---|---|
| 単1形 | R20PU(BN) 2P | 2本 | オープン |
| 単2形 | R14PU(BN) 2P | 2本 | オープン |
| 単3形 | R6PU(BN) 4P | 4本 | オープン |
| 単4形 | R03(BN) 2B | 2本 | オープン |
| 9V形 | 6F22(BN) 1B | 1個 | オープン |
9V形が残っているのは見逃せません。煙感知器やギター用のエフェクターなど、9V角形を使う機器は今も現役です。型番のPはシュリンクパック、Bはブリスターパックを指す、という注記も同じページに載っています。
マンガン電池とアルカリ電池は何が違うのか
そもそもの性格が違います。電池工業会は、マンガン乾電池を「休み休み使うとパワーが回復」する電池と説明し、向いている機器として懐中電灯、リモコン、小さな電力で動く置時計を挙げています。アルカリ乾電池については、大きなパワーや大電流が必要な機器、デジタルカメラや電動おもちゃなどモーターを連続使用する機器に向いているとしています。
| 比べる点 | マンガン乾電池 | アルカリ乾電池 |
|---|---|---|
| 電池工業会が挙げる向き先 | 懐中電灯、リモコン、置時計 | デジタルカメラ、電動おもちゃ |
| 持ち | 基準 | マンガンの約2〜5倍 |
| 休ませたとき | パワーが回復する | 連続使用に強い |
| 電解液 | 塩化亜鉛水溶液/塩化アンモニウム水溶液 | アルカリ性の電解液 |
| パナソニックの現行表示 | ネオ黒は掲載継続、ネオ赤は生産終了 | エボルタNEOなどを一覧で展開 |
言い換えると、断続的に少しずつ使う機器にはマンガンで足りて、連続して電気を食う機器にはアルカリが要る、ということです。電池が減った理由が「そもそも合っていない電池を入れていた」であることも珍しくありません。
連続して電気を使う機器が中心なら、最初からアルカリ側を買っておいたほうが交換の回数が減ります。
手持ちの機器はどちらを入れるべきか
迷ったときは、その機器がモーターや発光体を連続して動かすかどうかで分けると判断が早くなります。
ごく小さな電流を断続的に使う機器です。電池工業会がマンガン乾電池の向き先として挙げている用途にあたります。
非常用として引き出しに入れておく類のものは、休ませながら使う前提なのでマンガンでも成り立ちます。
モーターや連続発光で大きな電流が流れます。電池工業会はアルカリ乾電池の向き先としてこの種の機器を挙げています。
交換頻度が高くなるものは、使い捨てではなく充電池に切り替えたほうが本数を減らせます。
機器の取扱説明書に「アルカリ乾電池を使用してください」と指定がある場合は、その指定が優先します。指定より安い電池に置き換えると、動作が不安定になったり、想定より早く切れたりします。
買うときに見る3つの点
店頭でもネットでも、確認する箇所はそれほど多くありません。
色ではなく型番
ネオの赤と黒は型番で見分けます。R6PNBが黒、R6PNRが赤です。パッケージの色だけで選ばないほうが確実です。
使用推奨期限
マクセルは使用推奨期限についての案内を商品ページからリンクしています。長期保管のつもりなら日付を見ます。
本数と単価
単3形は4本パックが基本です。同じ型番でも8本パックや10セットのまとめ売りがあり、単価が変わります。
なお、終売と噂された商品が実際には残っていた、という構図はほかでもよく起きます。似た例として、ブルーレイの生産終了がどこまで本当かを各社の発表で整理した記事があります。言葉の指す範囲を分けて確かめる手順は同じです。
交換が月に何度も発生している機器があるなら、使い捨てをやめて充電池に切り替える選択肢もあります。
よくある質問
マンガン電池は日本でもう作っていないのですか
国内での製造有無について、パナソニックとマクセルの商品ページには記載がありませんでした。確認できるのは、両社が現在もマンガン乾電池の商品ページを掲げていることと、パナソニックのネオ赤に生産終了の表示が出ていることの2点です。製造地まで断定できる一次情報はこの調査では見つかりませんでした。
ネオ赤の在庫はもう買えませんか
生産終了は出荷が終わるという意味で、流通在庫まで同時に消えるわけではありません。ただし補充はされないため、見つけた時点の在庫限りになります。同じ用途ならネオ黒が後継の位置づけです。
マンガン電池をアルカリ電池に替えても問題ありませんか
機器側がアルカリを禁じていなければ、持ちの面では有利になります。逆にアルカリ指定の機器にマンガンを入れると、電圧の落ち方が早く感じられることがあります。取扱説明書の指定を先に見てください。
9V形の角電池もマンガンで買えますか
マクセルのBLACKには9V形の6F22(BN) 1Bがラインアップに載っています。入数は1個です。
古いマンガン電池はどう捨てますか
捨て方は自治体によって分別が異なります。電池工業会は捨て方とリサイクルの案内ページを設けているので、そちらと自治体の案内を合わせて確認してください。
参照した公式情報
- パナソニック「マンガン乾電池ネオ赤単3形4個パック R6PNR/4SE」https://panasonic.jp/battery/drycell/p-db/R6PNR4SE.html
- パナソニック「マンガン乾電池ネオ黒単3形4個パック R6PNB/4VSE」https://panasonic.jp/battery/products/R6PNB_4VSE.html
- パナソニック「乾電池 一覧」https://panasonic.jp/battery/drycell.html
- マクセル「マンガン乾電池「BLACK」」https://www.maxell.jp/consumer/dry-black.html
- 電池工業会「電池の構造と反応式(例)」https://www.baj.or.jp/battery/knowledge/structure.html
型番・価格・生産終了の表示は、いずれも2026年9月17日時点で各メーカーのページに出ていた内容です。表示は予告なく変わるため、購入前に同じページを開いて確かめることをおすすめします。

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